※クロス張替を行う前に必ずお読みください。
クロス張替における注意事項として、下地の凹凸を拾ってしまい仕上がりが部分的にですが凸凹が出ることがある(10%ほど)事と、クロスのジョイント(継ぎ目)が部分的にですが、うっすらと見えることがある事です。
※下写真①(下地の凹凸を拾った写真)、下写真②(クロスジョイント写真)
また、滅多にない事ですが下地が石膏ボードではなく、ベニヤ下地の場合(1%未満)はクロスに塗布されている糊の水分を吸ってベニヤが動くことにより、クギ頭が目立つ事や、ベニヤの継ぎ目が目立つ、合板が剥がれて波打つなどの不具合が出ることがあります(1%未満)ので御了承ねがいます。
見積り段階で下地チェッカーにてチェックしますが、全箇所チェックする訳には行きません。
チェックしても、99%大丈夫でしょうとまでしか言えません。
ですので、万が一にでもベニヤ下地による不具合がご了承頂けない場合は、壁材の打ち直し、または石膏ボードの増し張りを検討する必要があります。もしくは壁板仕上げにするなど。
(注)ベニヤ下地へクロス施工した事によって発生した不具合の補修は有償となります。
<下地の凹凸を拾ってしまう>
これはクロスという非常に薄い紙である以上、100%完全には避けらない事象となります。
既存クロスの種類や経年劣化の度合いにもよりますが、クロスを剥がす際に下地が凸凹になってしまう事が多々あるためです。(既存クロスを剥がした際の下地に、一切不陸が無ければ平滑にとても綺麗に仕上がります。)
そこに、厚さ0.2mm~0.5mm程の壁紙(クロス)を貼るとどうしても下地の凹凸を拾ってしまいます。
そこで、凹凸の下地を平滑にするためにパテ処理を行うのですが、それでも完璧にという訳にはいきません。
ですので、クロス張替を行う際は、多少下地の凹凸が表面に出てしまう事を覚悟する必要があります。
下地の凹凸を拾った参考写真として、下写真①(凹凸写真)を参照ねがいます。
下写真①(凹凸写真)のような凹凸が出るのは気になる!という方はクロス施工ではなく、左官仕上げや壁板仕上げなどにする必要があります。
上記の事はクロス製造メーカーも熟知しており、下地を拾いにくいクロス(厚みがある、クロスの色がアイボリーまたはベージュ系)を特集しているカタログがありますので下記に紹介させて頂きます。
下地を目立ちにくくするには、出来るだけクロスに厚みがある事と真っ白なクロスは避け、アイボリー系(少し灰色に近い白色)やベージュ系の色のクロスを選定する事が重要となってきます。
上記条件を両方カバーしており、最も下地を拾いにくいクロスとしてはサンゲツより発売されているSP9719となります。
(注)上記条件を満たしても完全に凹凸を拾わないわけではありません。凹凸を拾う事象に関して、一般認知度がとても高い某大手リフォーム会社(S社)においても、張替えの際の保証は無しと謳うほど厳しい事象となります。
●おすすめ量産クロス カタログ
・サンゲツ、SP(あんしんシリーズ)
・リリカラ、XRシリーズ
●おすすめ1000クラス カタログ
・サンゲツ、リフォームアップ
・リリカラ、らくらくリフォーム
・サンゲツ、eセコウクロス(不燃材クロスであり店舗など施設用)
<クロスのジョイントについて>
クロスは90cm巾の材料をジョイントしながら貼って行くので、どうしても多少ジョイントの線が見えることがあります(下写真②ジョイント写真)。ただし、一般的に見て気にならないレベルです。
写真②ジョイント写真を見て、気になる!という方はクロス施工ではなく、左官仕上げや壁板仕上げなどにする必要があります。
また、殆ど無い事(1%未満)ですが、クロスのジョイントを行う際に重ね合わせてカットするジョイント方法が多く使われますので、既存の裏打ち紙が切れてしまい、パクっとジョイント部が開いてしまう事があります。下写真③(ジョイントの開き写真)を参照ねがいます。
これは手直しする必要があるため、発生した場合にはお申し付けくださいませ。綺麗に直ります。
ジョイント割れを防ぐためにも重ね切りではなく、突き付け施工をする事が望ましいです。
よって、石目調クロスは突き付け施工に不向きであり重ね切りとなりますので、織物系のクロスを選択する事をオススメ致します。
<まとめ>
クロス張替は下地を拾ったり、ジョイントが多少見えたりする事があります。
これらが気になる場合は、左官仕上げや壁板仕上げなどの選択を検討する必要があります。
ただ、左官仕上げはクロス張替の約3倍の費用、壁板仕上げは約6倍の費用がかかる事と、施工期間もクロス張替の数倍はかかります。
これらの事を鑑みますと、現状ではクロス張替を選択する方がほぼ100%となっております。
●クロス張替において、下地の凹凸が表面に出る事を限りなく無くす方法
見積もり段階で、予め総パテ2回する費用を盛り込んでおく手があります(およそ2倍のお値段になります)。この予算を組んでおくと、下地に凹凸があってもそれ相応にフラットな仕上がりを期待できます。
ただ、デメリットとしては、そこまで下地が荒れてるケースはそんなに無く、総パテ2回行う必要が無かったとしても、工数は2倍で確保しているため、およそ2倍の金額はお支払い頂く可能性が非常に高い事です。
もしくは、 既存の石膏ボードを新規ボードに張替える。または既存のボードの上から貼り増しする。
こちらも、およそ2倍~3倍の費用がかかります。
項目 | クロス仕上げ | 左官仕上げ | 壁板仕上げ |
値段 | ◎ | △ | × |
施工期間 | ◎ | △ | × |
美観 | 〇 | ◎ | ◎ |